ふみ台の「舐められとの戦い日誌」

誉ある日本人になりたいです。

フリーランスは常に裏切りと戦っている

「社の方針が変わったので、一旦お仕事をお控えいただきたいんです」

 

奇しくもこのブログを始める決定打となったクライアントさんからの一言だ。
あらかじめ誤解の無いように伝えておくと、このクライアントさんは決して悪い人間ではない。直接会って話し、一応謝罪もしてくれたので別に怒ってはいない。

でも、捨てられたなぁっていう気持ちはありました。

もう一度言う。この社長さんは悪い人では無い。社員が深夜まで働いていても、「よくやってくれる」と美談として処理する危なっかしさはあるが、基本的に良い人だ。

そんな人でも、会社の事情が変わればフリーランスを簡単に切り捨てる。

会社員であれば、クライアントから「打ち切り」と言われても、池井戸潤の企業小説に出てくる第1章のような状況出ない限り、怒られることがあっても、自分の生活は大して変わらないことが多い(推測)。

 

「ああ…残念だなぁ…」って言いながら居酒屋で愚痴を言いながら飲めるかもしれない。

私のような切羽詰まっているクリエイターは違う。取引が終わると、その次はバイト探しという苦行を検討しなくてはいけないのだ。

しかも、今回のクライアントは、1ヶ月(まぁ…まぁ暮らせる)金額を提示し、私も調子に乗っていた。それに応えるよう、アライバの連携プレイのように素早く、迅速に案件整理をしたばかりである。脳内に自然と「生きて〜生きて〜♪」というあの曲が流れる始末だ。

頭の中で、「再来月って生きていけるっけ?どうだろ…夜のお店で濃厚接触しなければどうってこと無さそうだ」と高速で計算する。これがもし、ゴールデン番組の作家になるんだ!と意気込んでいた頃の自分なら「ちょっと待ってくださいよ!」と雛壇芸人張りに、前のめりになって一生懸命説得をしていたかもしれない。

 

僕のような実績の無い人間は、毎日のようにこんな裏切りと戦っている。

戦いすぎて、全員がいつ「ハハハハ…実は私がお前のお父さんなんだ…コーッ」ってなるんじゃないかと冷や冷やしているのだ。

今回裏切られて、数日経過した今でも引きずっている。

向こうから寄ってきたのに、なぜ捨てられたのか…。
自分の行動がまずかったのか、調子に乗ってしまったことが原因か
そもそも自分に運が無いのか…

つまらないことを考えて落ち込むのだ。

でも、この落ち込みがあったからこそ、これまでの「舐められ」をコンテンツにできないか考えることができた。細身のシュッとした社長さんありがとう。僕はこれからはてなブログで、できる限り「裏切られた日誌」を記録するつもりだ。

 

このブログを読んだクリエイターさんが、「よし!コイツみたいにならないでおこう」と反面教師として使われることを期待しながら…。